「…んっ…ちょ、ちょっと待って、な、なにやってんのっ??」
流石に突き飛ばされた。
かなり焦ってるな。
そらそーだよな、大して親しくもないヤツがいきなりキスしてんだもんな。
しかも♂♂
俺だってわからん。
声のせいなのか?
「…いや、わかんね」
直球で答えた。
これ、本音なんで。
翼は多少、ムッとしたようだ。
「わかんないって…嘉川君…じゃなくて、え、えーとり、陸斗、いい加減」
さっき普通に名前呼んだくせに今照れてる。
真っ赤じゃん…。
…かっわいー…。
ごく普通〜な、大人しそうで真面目そーなコイツ。 だが、照れたり笑ったりすると急に幼くなって…可愛い。
椅子から見上げられてるともっかいキスしちゃおっかな〜みたいな…。
しちゃえ、しちゃえ!!
声の後押しもあることだしなあ…。
たとえ声の仕組んだ罠だとしても、引っ掛かっちまおーかな…。
俺はギョッとして固まる翼の両頬を両手で強く掴んで上に向かせた。
「俺のせいじゃないんだけどさ…俺のせいにしちゃってもいーよ」
(o・・o)???
な 顔の翼に笑いながらキスをする…。