「……あ?」
「結べた!」
ああ…、そうだな
で、だからそれが何だという話なんだけど。
「良かったな」
「さくらんぼの枝を舌で結べたらキスが上手いって流行ったじゃんあれ」
「あんなん迷信だろ」
「てゆーか俺が気になんのは何でさくらんぼなのって事なんだけどね」
また変な所ばかりに興味がいく男だコイツは全く。
「単に短いからじゃね?枝が」
「え?そんならひじきのが短いじゃん」
「ブッ!!!」
ひじきって!(笑)
「おま…っそれは論理的に無理だからだろ?できるかできないかの長さのものだからじゃねぇの」
とりあえずそういう事だ。俺はひじき発言に笑い転げたい気持ちを抑えて答えた。
一方本人はそれを気にもとめずなるほどなぁと感心している
「あー、そういや人間の舌の長さが大抵はさくらんぼの枝と同じだからってのもあったっけ」
「へぇ〜面白い事考えるなぁ人間て。誰が最初に言ったんだろ」
俺にしたらさくらんぼの都市伝説を何の笑いもなくただ感心するばかりのコイツの方が幾分面白いんだけどな
しげしげ枝の長さを見つめ
…て、ん?
何なになに
「…何してんのお前」
「え?」
近い。それにカズミはさくらんぼの枝を俺の顔元に掲げ、もう片方の手で俺の肩に手をかけている
「この手は何だ?」
「え?だから長さ計ろうかと」
「何の」
「枝と、リュージの」
「いやいやいやいやいや!何で俺だよ」
「だって俺じゃ見れねぇじゃん。いいからべろ出して」
…いや、別に良いんだけど
何か言われるがままやんのが気に食わないというか