それから
吹っ切れた俺は、まず噂には噂で対抗した。
「藤田先輩はいまだに嘉納先輩のお見舞いに行ってるよ」
「何時間も話しかけてるんだって」
「あの事件以来不眠症になっちゃったんだってさ」
別に嘘じゃないしな。
自分の友達からさりげなく話題に入れて広めていった
特にその手の話に弱い女子が「藤田先輩可哀想!!」とか言い始めた時は机の下でサムアップしたww
グッジョブだぜ、誠司!
しかし、11月後半、受験勉強に付き合う俺に対して先輩はちょっとむくれていた
決意したみたいにペンを置く。
キタキタww
先輩がキレるのが好きな変態な俺です。
「誠司君さあ…」
そう。
最近ようやく下の名前で呼んでくれる。
あー…小さな幸せ。
「…確かに変なイジメとかなくなったけどさあ…。
僕に対して皆がなんか「可哀想な人」みたいに見るんだけど!
美談みたいに広めたの君だろ?こないだなんか知らない女子が「お二人を応援してます」って言ってきてさ…ねえ、応援ってどーゆー意味?
僕は医者じゃないっての。アキヒトを治せるとでも…って、ちょっと、なんで笑うの!」
あー!
せ、先輩って本当に面白い〜wwww