俺はわざと頬杖ついてニヤニヤしてみせた。
「わかってないなあ〜。
その女子は先輩と嘉納先輩が、ラブラブで早くまた幸せになれるといいですね、みたいな意味で言ってるんですよww」
先輩は絶句して、動揺しまくって何故か置いたペンを握った。
そしてまた置いた。
無意味だ。
全てが可愛すぎる。
「いまや世間はそう見てるんじゃないですかね?
プリンスとイケナイ恋愛…みたいな」
でえいっと、先輩は消しゴムを俺の額にぶつけた。
痛い。
「君がそういう風に持ってったんだろ!
ち、ちょっと…どうにかしてよっ!
アキヒトに怒られるよ!」
…アキヒトに怒られる。
何気ないその一言が、先輩が嘉納先輩が目覚めることを信じて疑わないことが解って切なくなる…
「じゃ、俺と噂になって打ち消しますか」
ほらね。
この手の話になると先輩は明らかにどうしたらいいか解んない顔するんだ。
でもさあ、忘れてもらっちゃ困るんですよ。
俺は貴方が好きだってこと