「誠司君は…えーと、本当にそういう人なの?」
どういう人だ。
「いや、俺は普通〜に女の子好きでしたよ」
「過去形になっちゃうんだねえ」
不思議そうに首を傾げる先輩にやばいくらいときめく俺です。
…先輩の家で、二人きりで…どうしよっかな…。
「いや、先輩のいうそういう人になったんじゃなくて貴方だから好きなんですよ…わかるでしょ?
貴方が例えば明日女の子になっても猫になっても虫になっても好きなんですよ」
この人にはストレートな表現しか伝わらない。
だからキッパリ言ってみた…先輩は気まずいような顔して明らかに動揺。
「…あ、えと…お茶持ってくる」
パッと立ち上がり横切ろうとした先輩の手を掴み、頭一つ分小さな体を引き寄せた。
「逃げないで下さい」
先輩は揺れる瞳で見つめ返す…その全てが誘惑的だとも知らずに。
「逃げてないよ。僕は前に言ったでしょ?友達ならいいけどそういう風にはなれないって」
「じゃあ俺も言わせて貰います。貴方はあんまり油断しすぎなんですよ。
平気で俺と二人きりになったりして…」
視線と視線がぶつかる。
俺は…。