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歩く、歩く 18

にゃんこ  2010-07-26投稿
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「誠司君は無理やりしたりするような人じゃない」

…限界だ。
この一言で俺は臨界点を越えた。

「貴方に…貴方に俺の気持ちの何が計れるんです?無理やりできないと思うんですか?
…教えてあげるよ、先輩。男はね、理性だけじゃいきていけないんだ」

嫌われてしまえ、いっそ。
俺は背後に横たわるベッドに先輩を組み敷いた。

「まっ…」

待って、と言いかけた唇を唇でふさぐ。
前みたいに優しいキスじゃない。
喧嘩しているみたいな、やけっぱちなキスだ。

「っ…いやだっ…」

激しく腕を振りほどこうとする…でも離してなんかやらない。

押し倒した先輩の睫毛と俺の睫毛が触れる。
まっすぐで綺麗な目だ。 今は睨んでいたとしても。
「貴方が好きなんです。
だからこんなことしちゃうんです。
…でも俺だって痛いし、怖いし…苦しいんだ!」

唇をこじ開けて、舌をねじ込む。
噛まれたらどうしようなんて思わない…先輩が噛みきってくれるなら、それで死ねるならそれでもいい。

「んっ…」

愛しい。
愛しくて愛しくて、頭が先輩一色になる。


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