『初めまして、克巳くん。』
爽やかで、真面目そうで、
第一印象は悪く無かった。
『息子の夏輝だ。』
ただ連れて来られた息子、夏輝さんの印象が強すぎて、
どうでもよくなってしまった。
『初めまして夏輝です。
よろしくお願いします。』
そう言って、
俺と母さん二人に頭を下げた。
サラサラの黒い髪からは微かに、いい香りがした。
『克巳くんは高校一年生だそうじゃないか。良かったな夏輝、これからは一緒に通えるじゃないか。』
『そうだね。僕も克巳くんと同じ高校に通う事になったから…よろしくね。』
この時はただ嬉しかった。
『こちらこそ…よろしくお願いします。』
新しい兄弟が優しそうな人で良かったと。
そう、自分の気持ちを勘違いした。