「ハッ…ン…」
圧し殺した声。
二人の吐息…衣擦れの音。
先輩のことしか見えない。先輩のことだけ考える。
先輩もそうならいい。
指で先輩の感じる所を探し当てる。
のけぞる背中、喘ぐ唇…。感じてるってわかることが一番感じる…。
先輩が可愛くて可愛くて仕方なくて。
「誠司…おかしいよ…」
先輩の舌が、俺のと絡んで一つになる。
溺れている人が何かに掴みかかるような必死さで俺の背中にしがみつく。
「おかしいならそれでいい…明日忘れてもいい。
俺は忘れないけどね」
指がまだ誰も触れたことない場所に伸びる。
先輩…悠の場所に。
真っ赤になって唇を噛む。
「さわっ…や…だよ」
軽く甘く優しく揺すってあげるだけで断続的な声が高まる。
「わか…んな…ハッ…アアッ…ん…アッ…」
ああ、もう。
俺だってわかんないや。 先輩が俺のこと好きになんなくても俺がその倍、千倍一万倍好きならいい。
先輩のいっぱいいっぱいなそこを口に含み、もっと声を出させてあげる。
「ッ…アッ、だ、めだって…ばっ…アッアッアッ…せ…じ、離して…」
いいよ、先輩。
そのままで。
「ふ…アッ…い、イッちゃ…ね、離して、僕、もうッ」