からかうのはほどほどにしといて、俺は里親どもが教えてくれない情報を仕入れた。
「へえ、早川サン死んじゃったの?バカだね〜…まあ、生きてても人を刺しちゃったら人生おしまいだしな」
「お前がそこまで追い詰めたんだよ。…確かに早川先生だって悪いけど。
人はみんなお前みたいに強いわけじゃないんだよ?」
出た、悠のお説教。
やんわり怒る悠と違ってお隣さんはかなりショックを受けてるなあ。
無理もないか、学校の俺しか知らないんじゃな。
「人ひとり死んでるのに、そんな言い種ないですよ」
お、誠司君がお話した。 顔が真っ赤だ。
怒ってるねえ…。
「じゃ、お前は泣いたの?早川センセが死んだ時。
心から可哀想とか思ったわけ?
俺が刺されたのはどうよ、心配したわけ?」
誠司君はサッと青ざめた。うんうん、わかるよ。
大事件になって浮かれちゃったんだろ?
俺だって他人事ならそうなるしなあ。
悠は怒って、俺を睨む。
「どーしてお前ってそうなんだよ!もう!
帰る!」
あーあ、キレた。
意外とすぐキレちゃうんだよなあ昔から。
「は〜い、じゃ今度は新聞とか持ってきて?」
悠は振り向いてアカンベ-して扉を閉めた。