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それぞれの明日 21

にゃんこ  2010-08-04投稿
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悠は俺の手を握った。

「前に疲れたって言っただろ?誰だって自分をしまいこめば疲れてしまうよ。
そのままの君でいいんじゃないかな?
そのままの…僕や誠司に悪態をつく君で。
ねえ、アキヒト。
…君は…圭が来なくなってから少し変わったよ」

「聞きたくない」

口をついて出た言葉は呆れるくらい幼稚だ。

悠は笑って、俺を引き寄せた。
強く抱き締める。

「聞きたくないことを、言ってくれる人が君には必要なんだよ。
大丈夫、僕は君を変わらず愛してる」

「誠司に見られたら勘違いされるぞ」

言いながら、抵抗はしない
懐かしい悠の匂い。

「もう草原に逃げちゃだめだよ、君のタンポポはきっと違う場所にある」

背中を撫でられながら、泣いている自分に気づいていた。
悠といると涙が出る。
悠を愛してるのは俺もなんだろう。
ただ、誠司のようにはなれない。
俺達は家族なんだ。

「圭に会いたい」

驚いた。

俺が驚いた。
こんな言葉が出てくるとは予想していなかった。

けど、悠は笑った。

「知ってる」

…俺より俺を解ってるんだな、まったく…

忌々しいやつww!

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