悠は俺の手を握った。
「前に疲れたって言っただろ?誰だって自分をしまいこめば疲れてしまうよ。
そのままの君でいいんじゃないかな?
そのままの…僕や誠司に悪態をつく君で。
ねえ、アキヒト。
…君は…圭が来なくなってから少し変わったよ」
「聞きたくない」
口をついて出た言葉は呆れるくらい幼稚だ。
悠は笑って、俺を引き寄せた。
強く抱き締める。
「聞きたくないことを、言ってくれる人が君には必要なんだよ。
大丈夫、僕は君を変わらず愛してる」
「誠司に見られたら勘違いされるぞ」
言いながら、抵抗はしない
懐かしい悠の匂い。
「もう草原に逃げちゃだめだよ、君のタンポポはきっと違う場所にある」
背中を撫でられながら、泣いている自分に気づいていた。
悠といると涙が出る。
悠を愛してるのは俺もなんだろう。
ただ、誠司のようにはなれない。
俺達は家族なんだ。
「圭に会いたい」
驚いた。
俺が驚いた。
こんな言葉が出てくるとは予想していなかった。
けど、悠は笑った。
「知ってる」
…俺より俺を解ってるんだな、まったく…
忌々しいやつww!