「あ、僕らもう帰るから」
時計みて唐突に呟いた悠。なんだよ、いつもならギリギリまでいんのにさ。
「その顔だとわかってないね!今日はクリスマスイブだよ?」
!
あ、本当に俺、忘れてた! 世間のエセクリスチャンのお祭り騒ぎじゃねえか。 俺、すげえなあww
一大イベント忘れてるなんてさ。
「とゆーわけで、僕らは帰りますよ。
特別な日なんだから」
「あっそ!」
憎まれ口を叩こうかとも思ったが、誠司の余りにも幸せそうな顔に免じ許してやる。
「じゃあな」
慌ただしくパタパタ消えた二人の後ろ姿を見送る…とさっきまで悠が座っていた場所に封筒が落ちていた。
?
忘れもんか。
その瞬間、病室の扉が開いて「おい、忘れてる…」といいかけて唖然とした。
圭だ。
「何が忘れてるんだ?」
ニヤニヤしてやがるけど、俺は声も出ない。
びっくりして。
「俺に会いたいらしいナ」
…う。
ズバリ言われるとなんかムカつく。
「俺も、って言ったら信じる?」
ちぇっ、久々に会ったのに余裕だな。
「悠が仕組んだろ」
「そ。なあ、なんで会いたかったの?」
圭が忘れ物の封筒をベッドに放って座った。