圭の目がもろにぶつかる。俺は、正直、こういう状況がとてつもなく、全く、苦手だ。
「じゃ、俺の大切な人にお前がなればいいじゃん?」
は?
「多分、なんだけどな。いや絶対かな…。
お前みたいにクソ生意気なガキと一緒にいたら、飽きないのは間違いないだろ?それにさ、…俺もね、お前いないと物足りない。
つまんねえ。
だから、傍にいろよ。
俺もいるから。
俺がお前を少しはまともにしてやんないとな!」
「簡単に言う…」
なよ、という言葉は俺の唇から、圭の唇に直接のみこまれた。
つまり。
エセクリスチャン同士が、クリスマスイブに相応しくそれらしい行為に及んだとゆーわけだ。
俺は口づけされながら、パニクって下らないことを考えていた。
前みたいな冷たいのじゃなく、触れてるだけのキス。
……長くねえ?
俺がいきなり舌を突っ込むと、圭がギョッとして唇を離した。
「おっまえなあ!」
「別にいーだろ?唇が触ってるだけじゃつまんねえ。退屈」
笑いながら言ってやる。
「こ…の、性悪が!」
圭はもう一度、俺に挑んできた。
俺は今度は主導権を渡して大人しく目を閉じた。
そうしたかったから。