なんで…?なんで…?
「知り合い?」
「…うん、ちょっと。
………ごめん俺帰るわ。
急用できた。みんなにも言っといて。じゃあ。」
「えっ!ちょっと克巳くん!?」
なんでだよ。なんで夏輝さんが女と…。
ていうか…なんで俺、
こんな苛々してんの?
おかしくない?
別に夏輝さんに彼女がいてもいいでしょ。
夏輝さん顔もいいし、
性格もいいし、そりゃ女ぐらい居てるでしょうよ。
なんで俺…こんな泣きそうなんだろ?
夏輝さんの事どんだけ好きなんだよ。
ブラコンじゃねーか。
お兄ちゃんは僕だけのお兄ちゃん、てか?
ぃゃぃゃぃゃ。
痛すぎるでしょ、自分。
ていうか……………………
夏輝さんの後付けてる時点で痛いでしょ!
なんでつけちゃってんの?
…あぁ、夏輝さん彼女を家まで送ってたんだ。
やさしー…。
なんとなく会話が聞こえる。
「送ってくれてありがとう。ねぇ…」
夏輝さんが少し微笑んで、
彼女に近付いてキスした。
「じゃあまたね。おやすみ。」
「うん、おやすみ。」
その後すぐ、俺は逃げるように必死で家まで走った。