ちー…。
ファスナーの上がる音。
完全なる俺のミス。
けど、可愛いメイド服はやっぱりフロントやサイドよりバックのが…。
いきなりゾクッとして、ひゃっと肩をすくめた。
コットンの指が俺の肩甲骨に軽く触れたのだ。
わざとか?
にゃろ〜!
「まだ見るなよ!
こっからは後ろむいてろ」
何故か妙に沈黙して、コットンは素直に頷いたようだ
よーし!
俺は予算内で激安ショップから勝った黒い靴下を履き(勿論フリルはつけた)パニエをはいた。
うん、これでよりボリューミーww!
そして忘れちゃなんねえ、メイドカチューシャ!
百均で買ったカチューシャにデカリボンをつけた力作だ。
ヅラは高くて手を出せなかったが…俺はまあ元々女子のショートカットの子ぐらいの長さはあるから良しとする。
おお!
俺は…天才だな!
白いフリフリエプロンの胸あたりにつけたレースリボンが絶妙にぺったんこな胸をカバーしている!
完璧だ!
俺はいま、完璧な可愛いメイドさんだ!
…格好だけは。
「できたあ?」
ソワソワしてやがるな、まて、まだだ!
「ちょっと待て」
最後の仕上げだ…。