すうっと背筋に触れながらいったり来たりする指先。
どうしよう。
どうしたらいいの?
寂しくておかしくなっちゃったの?
どうにも動けないあたしのうなじに、重男さんの唇が押し付けられた。
「やっ!」
びっくりして肩を竦める。
「梨香ちゃん…騒いじゃダメだよ。梨香ちゃんが変なこと言っても誰も信じないよ?だって俺は妻を亡くしたばかりの可哀想な、ひ弱なジジィなんだから。
…少しだけ、少しだけじっとしてくれたらいい。
怖いことはしないから」
囁きながら、指はエプロンの隙間に伸びて、薄手のシャツの上に…あたしの上下している胸の側にいる。
どうしよう…、怖くて動けない!
「梨香ちゃあん、可愛いなあ…前から可愛いって思っていたんだよ」
うなじを舐めながら、ゆっくりゆっくり手が膨らみに近づいて…とうとう乳房にシャツの上から触れてしまった。
「やめて下さい、本当に困ります…」
弱々しく囁いても聞いてくれる筈もない。
荒々しさの欠片もない、羽根みたいな優しさで、そっと乳房に触れてくる。
「大きいねえ…」
イヤらしい声で呟いて耳たぶを舌でチロチロ舐められた。