流歌は自分が知らない男とベッドにいる事を気付かされる。
「放して…」
流歌は弱った声でそう呟く。
「お前は、もぅ…俺の人形だ…流歌」
どこかで聞いたことある声だと流歌はそう思った。
暗闇の中である為、顔が良く見えない状態だった。
便りになるのは月明かりだけ。
「貴方は誰なの…!?どうして…アタシを」
「人など俺にとっては人形でしかない…だが流歌、お前は俺の愛玩人形だ…特別な存在なんだ、何故なら俺は…お前の兄だからな」
兄、その言葉が流歌の頭の中の記憶を振り返らせた。
「劉…兄ちゃん……?」
「そうだ…久しぶりだな?流歌」
暗闇の中から現れたのは、銀髪で冷たい目をした兄だった。
「そんな、死んだはずじゃ…!!」
「表ではな…だが、今俺はこうして生きている」
「アンタなんか、死んどけば良かったのに」
小さく呟いた。
すると「んぁ…!?」
突然流歌の体に電気が走ったような感覚に陥った。
「言ったはずだ、お前は愛玩人形だと…」
「私の体に何を…した…ッ!」
「俺の能力は人間を自由自在に…自分の意のままに操れるんだ、だからお前をこうやって!」
体が磁石のように引き寄せられる。
「ッ……」
「俺に近づけさせる事なんか、造作もない」
劉は不適な笑みを浮かべ、そのまま流歌に口付けをした。
「んんっ……////」
「これからじっくりと楽しもう…」
そしてまた、口付けをした。