「なんでかなあ」
寿…いや、コットンの言葉はまんま俺の心の声。
「お前がメイド服に萌えたからだろ」
コットンは「あは」って笑って(その声にキュンとしたのは気のせいだよね?)
「メイド服に萌えたんじゃなくて、悟に萌えた」
しれっと言ってのけた。
「…ばあか」
って言うしかないじゃん。悟って呼ぶなよ…。
「こーなったからには、責任とるよ、俺」
…は?
コットンはいつも通り何考えてんだか解んない笑顔で俺を見つめた。
「呉服屋の女房になってくれないか、悟」
「…お前…」
よく、この状況下においてそれ、言えちゃうよね。
面白いよ、本当に面白い…
「なんで泣いてんの…?」
え?
俺、泣いてなんか…。
頬に指で触れたら、濡れていた。
「わかんな…俺、な、なんで泣いてんの?」
コットンが側にきて、有無を言わさず抱き締めた。
「ふざけてないって。
俺、お前が好きだよ」
ずっきゅん。
使い古されたキューピッドの矢が、俺の心臓を撃ち抜いた模様。
「じゃあ、呉服屋はやめるから…リーマンのお嫁さんになってくれる?」
あー…こいつ、本当に…
「ぶぁか(笑)!」
完