いつもの無垢な「キラキラ」じゃない「ギラギラ」した目で、僕を射ぬく。
「榊…英士君、友達いなくてハズされてるわけでもなくて透明みたいな、つまんないクラスメートだって認識、改めなきゃなあ…」
その声に含まれる毒は、ひとたらしであの世行きになるベラドンナエキスに匹敵すると思われる僕です。
「ね、本当はさ…」
ぐいっと近くにくる。
僕はぎょっとして椅子を離そうとした時、彼の白い手が僕の密着していない方の手を掴んだ。
つまり、かなり、彼が僕に被さっている。
間近な顔。
夢や妄想ではわからなかった長い睫毛や、透き通る茶色の虹彩。
「好きだったんじゃないの…?嫌いなのに好きとか。そんな風に感じるよ、今の君には」
僕は動揺してしまった。
目が泳いだんだろう。
「ははっ、やっぱり?君があんな風にみてるのが嫌いだからって解ってたらもっと早く気づいてたのにね?てっきり俺は…まあいいや…とにかく」
彼は然り気無く大きな教科書を僕らの顔の前に盾のように掲げた。
唇が僕の唇に強引に重なっている間も、僕らはどちらも目を閉じなかった。
僕は硬直していたから。
彼は
楽しんでいたから。