小早川の、細い輪郭に指を這わせて、落ちてくる黒髪を耳にかけながら激しいキスを交わした。
探る舌…優雅さなんて欠片もない、獣同士の口づけ。
僕は小早川のはだけた胸元を慣れない手つきで愛撫した…のけぞる背中を指でなぞって、さらに引き寄せて白い肌を舌で味わう。
小早川は唇を唇から離して僕の上でベルトを緩め…落とした。
熱に浮かされたような顔で「して」と誘う。
毒の粉を撒き散らす鮮やかな蝶のように誘う…。
僕は跳ね起きて、太ももを跨いでいる小早川を反対側に押し倒した。
「嫌いだ、お前なんか」
それを聞いて、笑う奴の首筋に噛みつく。
「理央って呼んで、英士…汚して」
白い腕が僕に絡む。
汚れるのは、僕?
気が狂ったみたいに縺れてほどけない糸みたいな僕らは、お互いを行き来する感情を片っ端から消去していくんだ。
複雑な感情はいらない。
理央の脚を開いて、欲情の塊を唇に沈めて…快楽の喘ぎを聞きながら僕は真っ白い炎になった。
「あ、…え…いじ…」
淫らな華。
もっと…。
僕は僕の指を理央の口に突っ込んで濡らし、それを理央の中に…ゆっくり沈めていった。