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妄、想なんです 17

にゃんこ  2010-10-11投稿
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夜道を歩きながら、身体から欲望が抜けていくのを感じていた。


理央はしばらく体を僕に押し付け、目をつむり…ふいに離れて笑った。

「英士、これは「夢」だよ…いや君の勝手な「妄想」だからね?
…じゃあ、俺いくよ」

あっという間に彼は闇に消えて、遠くで扉の閉まる音が聞こえた。

そして僕の上着のポケットには、この館の鍵が忍び込んでいた。


その鍵をポケットのなかで弄びながら、帰路を進む。
僕は抑えがたい好奇心をたぎらせていた。

嫌いになってくれてありがとうだって?

全く…わからない。

理央には何かある。

刹那の快楽に身を委ねているときでさえ、悲しみと怒りを感じていた。
憑かれたように淫らな肢体からそれを受け取っていた
理央、小早川理央。

もうそれだけだ。

僕の体は、心は、その存在のみが支配している。

繋がったのは身体だけだとわかっている。

だからこそ、欲しい。

小早川理央の全てが欲しい…。


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