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予感 24

輪廻  2010-10-12投稿
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守は妻のそんな不貞に気付くこともなく、自らもまた不貞にのめり込んでいた。

「成美さん、大丈夫でしたか?」

守は成美と自分の着替えをホテルから支社に持ってきていた。

「守さん遅い!…珈琲、せっかく淹れたんですけど」

「あ…す…すみません」

「冗談です。淹れたてです、どうぞ」

「自販機も、使えないと大変ですね」

「ええ、でも……」

「?」

成美は守の隣に椅子を持ってきて、
彼に寄りかかった。

「あなたを待ちながら珈琲を淹れてる時間が……とても心地よかった」

守は成美の頭を抱き寄せ、同時に罪悪感に苛まれた。
いっそのこと忘れたくなった。

―美紀……………―\r

守には成美のシャンプーの香りが、心地よかった。

「成美…………ここにいる間だけ……だから…」

「構いません…………………だから」

「?」

「ここにいる間は、私だけ見てて………ください………」

守はタオルにくるまれた少女のような成美を、もう一度抱きたくなった。

「ね?」

「成美……………ホテル、同じ部屋にしようか…?」

「……馬鹿」

「だめかな」

「…………………いい」





悶々としたまま2人は作業を終え、
その頃にはすっかり夜になっていた。

「やれるもんですね…ああ、疲れた」

「ホテルに帰りましょうか」

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