網を張ってから三週間が過ぎた。
毎日、僕は学校に行き、小早川も毎日変わらず登校している。
なんて眩しいんだろう?
あどけない少年そのまま、笑ったり駆けたり。
仲のいい友達の肩を叩き、相手も笑顔を返す…。
こっちこそが幻なんじゃないか?
僕は何回、小早川を抱いただろう。
初めてのあの日から、僕らは何回も身体を重ねてる。
あの同じ場所で。
いつも一方的なメールで呼び出されて。
理央は必ず「壊して」と僕を煽る。
嫌えば嫌うほど、好きになっていく矛盾。
身体の奥まで貫いて、果てて…何が残るんだ?
一度聞いたことがある。
「何でこんなことしてんの…?」
理央はクスッと笑って裸の肢体を僕にぴったり寄せた
「セックスが好きだから」
身も蓋もない言い草に、思わず振り払いたくなる。
「汚いな、お前」
理央は頷いた。
「今さら気づいたの?」
「誰でもいいわけ?」
理央は僕の胸に委ねていた頭を起こしてジッと僕の目を覗きこむ。
「違う」
思ってもいない言葉に動揺した。
「英士だから」
その一言は僕の胸を抉り、僕は目を逸らした。
僕は…泣きそうだ。