果茄【富継】はとうとうテレポート能力まで身につけてしまった(偽善者博士と女の子になったおじいちゃん超能力誕生篇参照)。
だから現れた、この幽霊スポットに。
湖の畔。自殺者が多いせいか、夜な夜なこの辺りでは幽霊が出るという噂が流れていた。
「女子高生がいるぞ、もしかして幽霊じゃねえか?」
軽自動車でドライブ中の啓祐だった、隣には悪友の裕太が乗っている。そして、見かけたのは夜中に湖畔を散策するセーラー服姿の果茄だった。
「こんな夜中に女子高生がいるかあ、普通? 近くに民家なんかないよなあ、この辺… 」
少しだけ怖がりの裕太だった。
軽自動車は果茄の横をゆっくりとしたスピードで通りすぎる。
「うあっ? メチャ可愛くなかったかあ、あの女子高生??」
思わずブレーキを踏む啓祐、車が停まった。