「成美…」
「今の主人と、その家庭は築けそうにありません」
「!?」
成美は景色から目を離さずに言った。
「守さん、奥さんとの時で避妊は慣れているというような事を仰ってましたよね」
「はい」
「主人もです。私はいつでも仕事は辞めれます。辞める覚悟はあります。でも、子供は要らないって」
成美は珈琲を啜って、雲行きの怪しくなってきた外を見つめた。
そして守の方を向いた。
守も成美の瞳を見つめた。
「私、あなたと家庭を築きたい……」
成美は真剣に守を見つめた。
「あなたの子供を産みたい…来年のクリスマスは3人で……」
「今の生活を棄てるんですか?」
「抱き合えなかった6日間、生き地獄でした…。でも、分かったこともありました。純粋な自分の気持ちです」
「棄てるんですか」
「守さんも、棄てて下さい」
「成美さん、僕らがそうなったら、会社にはいられませんよ?」
「あなたと一緒なら、どうなったってかまいません。私、今のままじゃ一生を後悔してしまいそうなんです」
「成美……」
長いトンネルに入り、景色を見ることもかなわなくなったが、2人はただ見つめ合ったままだった。
成美は衣服を脱ぎ捨て、守をベッドに連れて行った。
「中にして………守の…ください…中に、あっ!」
守は獣のように成美に抱き付いた。
「ああッ!…守…はぁッ…んん!!」
成美もまたそれにこたえるように守の愛撫を受け入れた。