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紺碧の空に星 5

にゃんこ  2010-10-24投稿
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指に力がこもっていく。
白い首筋に食い込んでいく
自分のものにならないならいっそこうして…。
全てを手に入れる為にはこうするしかない。

でも。

本当にそうだろうか?

力を入れた僕の手首を労るかのように、そっと理央の指が触れた。

僕は…。

震える両手を離した。

そして、倒れるように咳きこんで壁にもたれた理央を引き寄せ

思い切り平手打ちにした。
空気を切り裂く音。

理央の唇が切れた。
驚きで目を見開く彼。

「僕を利用して死ぬのか」
理央は頷いた。

「英士…僕は謝らない。愛しているなら犠牲だと思わないで。僕の全てをあげるよ…だから」

殺してよ…と掠れた声で囁いて、理央は泣き崩れた。
踞る理央を無理やり立たせ壁に押し付ける。

「お前のなかに、「僕」は一度もいないの?
いなかったと…そう言うのかよ?」

理央は涙をためた目を逸らす。

「クラスでのお前も皆芝居だと…一欠片のお前自身もいなかったと…」

僕は自分が泣いているのに気づいた。
何故だろう、何故こんなに…。

悔しいんだ?

僕は強く…骨が砕ければいいと願う程強く、理央を抱き締めた。

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