フルネーム【入口裕太】は思った。
もしこのまま付き合って結婚なんかしたら、このコの名前は【ペニス・入口】になってしまう?? 、と。
「やっぱり変な名前ですよねえ?? 子供の頃からよくこの名前の所為で苛められてました? 」
「お、俺は好きだなあ、その名前。変な事を考えなきゃ、可愛くて響きが良い名前だよ? …?」
「裕太くんって優しいんだ、アタシ裕太くんみたいな彼氏が欲しいです。」
「えっ? 俺で良かったらいつでも彼氏になるよお? 」
「ホントですかあ? こんな変な名前の女の子でも付き合って貰えるんですかあ? 」
「当たり前じゃん、ペニスちゃんってモロ俺の好みだよお? 」
「じゃあ、こんなアタシで良かったら是非お付き合いして下さい? 」
「うん? …えっ、ホントに良いの?? 」
「ヨロシクお願いします? 」
「ゴホン」、咳払いをしたのは啓祐だった。完全にのけ者扱い状態に陥り、ひとり苛立っていたのだ。
「盛り上がっているところ申し訳ないんだけどさ、キミ家出中じゃなかったっけ? 」
「です?… やっぱりダメですかあ? 裕太くんの彼女さんにはして貰えないですよね? 」
「大丈夫だよ、何とかなるって? 余計なこと言うなよな、啓祐? 」
「軽すぎるぞ、裕太? だいたい家出中なんだぞこのコ、住むとこどうすんだよ。」
「住むとこかあ、俺んち親と同居だしなあ… 啓祐みたくアパートに一人暮らしだと良いんだけど? 」
「馬鹿かおまえ、未成年の女の子と同棲でもする気か? 」
「ペニスちゃんとだったらそれも有かも? 」
「親御さんがかなり心配してるぞ、きっと。」
「おまえ、オヤジみたいなこと言うな? 」
「あのう… 」
遠慮がちを装おって、果茄が切り出した。
「啓祐くんのアパートに泊めて貰うこと出来ませんか? あ、掃除に洗濯、食事の準備もバッチリやりますから? 」
「ええっ? 」
啓祐と裕太が同時に叫んだ。
「啓祐くんだったら誠実そうだし、なんか良い雰囲気の人だし… 良いかなって… ダメですか? 」
「別に良いけど? 」
「ええッッ? 」
啓祐の返事に、パニくる裕太だった。
「こいつ凄いスケベだから駄目ダメッ? 」
「アタシ… エッチな男性って… とても興味があります? アタシのバージン、貰ってくれそうで? 」
調子にのり過ぎの果茄だった。