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two YOU 2

輪廻  2010-10-30投稿
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「転勤、ですか……」

双子の高校進学が決まったと同時に、
父親には転勤が言い渡されていた。

「ダメかね?確か仲埼くんは三人のお子さんがいたか…。
でも、もう高校生くらいじゃなかったかね?」

「あ…ええ。はい」

「なら、もう心配ないんじゃないかね?
そろそろ子離れをしないといかんのじゃあないか?仲埼くんも。ははは」

上司はかねてから転勤の希望を募っていた。
希望者が現れないままのため、ついに白羽の矢がたったのが…

「なんで!お父さんが…!」

「大丈夫、たったの一年だよ。
真菜」

「いやだよぉ…」

真菜は涙を流して父親に抱きついていた。

「真菜、泣かない…」

いつも大人びている真希も、注意しながら不安そうな表情を浮かべていた。

「なんだよ二人とも。俺を忘れてないかっての」

「そうだぞ?蓮兄ちゃんはいっつもいるだろ」

「頼りない」
「頼りないよぉ」

揃った声が蓮一の胸に刺さった。

「ほっとけよ!」

「ははは、頼もしいなお前たちは。蓮一、頼んだぞ」

「ああ。…俺の料理が無いからって、あっちで変なもん食べないでくれよ?」

「ああ、気をつける」

「お父さん、頑張ってね」

「うぅ、お父さぁあん!」

仲埼家のゆっくりと幸せな時間を刻んでいた歯車は、
この父親の転勤をきっかけに狂い始める。

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