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輪廻  2010-10-30投稿
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三人の入学式の翌日から、父親も引っ越した。

初めての三人だけの週末だった。

蓮一は引っ越し作業の疲れもあり、気持ち良く寝ていたが、体が急に重くなった。

「ん……んん……ん?」

金縛りのような感覚に目が覚める。

「おはよ、蓮兄ぃ」

「お前、なに、入ってきてんだ!人の部屋…うぷっ」

「しーっ。今、真希が朝シャンしてるから」

「?だ…だから?」

「ほらっ、聴こえない?真希の歌………」

「あ………ほんとだ」

真希は日ごろからあまり感情などを表に出さないが、唯一、家族が早く起きない休日に朝風呂に入り、歌を口ずさむことがあった。
真菜はこれを盗み聴きするのを楽しみとしていた。

「ね。………朝シャンの時だけ歌ってるんだよ」

「初めて聴いた……」

聴いたことがない、真希のか細く、高い、美しい歌声がバスルームから届いていた。

「ふつうの声もこんななら可愛いのにね」

「お前、そんなことより…離れてくれよ」

真菜の胸と蓮一の腕が密着し、
真菜の手は蓮一の脚の間に置かれていた。

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