真希は髪を拭いていた手をそのまま停止し、光景を凝視した。
真菜が蓮一に体半分、乗りかかっている。
「……!?!?」
「真希っ…違うんだ…これは」
真希は顔を赤らめて、走って自分の部屋に戻っていった。
「びっくりしたぁ…真希も変だった。
どうしたんだろ……あれ?
もう腫れてない?」
蓮一は体中に嫌な汗をかきながら妹に忠告した。
「……あんまりびっくりするとこの腫れはひいていくんだ……勉強になったな。
頼むから、とっとと部屋に戻れ」
「……はい…」
蓮一は真希にどう説明したものかと頭を悩ませた。
しかし、しばらくすると双子のどちらかがドアをノックする音が聞こえてきた。
どちらかと言ってもノックするのは真希だけだ。
「蓮兄、いい?」
「あ、ぁあ!」
蓮一は、緊張のあまり声が裏返った。次の瞬間、声は出なくなった。