妹たちを各自の部屋に運び、汚れた床を拭き終わる頃には、昼をとうに過ぎていた。
(やっちまった………。二人にあんなこと……)
自らは迫られた側だという事を忘れ、
蓮一は自責の念に駆られていた。
手は勝手に昼飯の焼きそばを作っていた。
しかも休日のいつものクセで父親の分を含めた四人分を作ってしまっていた。
「………っやべ」
「蓮兄」
「真希…」
「………いいニオイ。お腹空いちゃった」
真希はいつにも増して大人びて見えた。
髪が少し乱れていたが、その表情と挙動は落ち着いていた。
「あ、ああ。今、皿に盛ってやるよ」
二人分の焼きそばを食卓に運び、真希と向かい合った蓮一だったが、気まずい雰囲気が流れた。
「……………」
「……………」
二人の脳内には先ほどの行為が、鮮明に記憶され、再生されていた。
蓮一は真希の喘ぎ悶える姿を、
真希は蓮一の激しい責めを、
生々しく思い出していた。
「………は、早く食べようぜ…!冷めちまう」
「う、うんっ!そうだね…」
しばらくして、寝ぼけたような表情で、
真菜が部屋に入ってきた。