「俺も同じだ。それに君の言うのも最もだよ。
俺が悪かったんだ、すまない」
華奢な青年はあまりにも脆い。
支えてやらねば、と思う気持ちが海斗を冷静にさせていた。
何かきっと単純な理由があるんだ、そうに違いない。
大人しく頷く簓。
不安げに見上げる彼を元気づけるように笑ってみせた
内心、恐怖で心臓は締め付けられてはいるのだが。
それでも、強がった効果はあった。
簓は笑顔というには余りにも控えめな微笑を返した。
「あの…」
「なに?」
簓は今度は本当に笑って、瞬いた。
「貴方の名前、俺、知らないんですけど」
簡単な自己紹介をしながら二人はミニストップを後にした。
車が動かない以上、仕方ない。
歩いて近くの民家を探す。
「保険屋さんなんですか」
「皮肉にもね」
簓はまた忍び込んできた不安に瞳を揺らし、小さく 「はあ」と呟いた。
明るい表情ならば、優しげで可愛らしいのだろう。
今は青ざめて消え入りそうな風情だ。
緑色の鮮やかな長袖のシャツにジーンズ…