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晴れの日の一日,12

 2010-11-23投稿
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「夏輝さん、今日は俺も一緒に行く。」


「何だか久しぶりだね。」



俺の隣を歩く夏輝さんは、俺より少し背が低い。


風に揺れる髪からは、
以前と同じ甘い香りがした。


「夏輝さん…、
何だか元気がないね。
何かあった?」


「えっ?」


「俺で良かったら話し聞くよ?夏輝さんが辛そうにしてると俺も辛いし。」


眉間に皺を寄せて隣にいる俺を見上げる。



ごめんね夏輝さん。
夏輝さんを苦しめてるのは俺なんだけど、
夏輝さんに優しくもしたいんだ。


「何でわかるかなぁ、
…彼女にね、フラレたんだ。他に好きな男ができたって。」


夏輝さんの苦しむ顔も、
今みたいに弱った顔も、
全部みたいんだ。


「そう…なんだ。
でも馬鹿だね、その女。夏輝さんみたいにいい人フルなんて。」


「…ありがとう。」


夏輝さんがまた辛そうに笑ったから、俺は夏輝さんの頭をそっと撫でた。



「無理しなくていいんだよ。せっかくキョウダイになれたんだし、もっと頼ってよ。俺の前でぐらい強がらなくていいよ。」

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