「っん〜!」
悩ましい声をあげないように必死で遮る簓の手の甲を舐め、少しずつ少しずつ…薄皮を剥ぐように抵抗を溶かしていく。
緩い生地の長Tだから余裕で手が滑り込む。
海斗は紛れもなく簓に欲情していた。
初めて一緒に寝た時から奥底で望んでいた。
「えっ…うっ…」
もうどうしようもなくて、泣いている簓の涙を舐めて加虐の、言い知れない情欲に戦(おのの)いた。
俺は…狂ったんだろうか?
愛しい反面、ズタズタに、粉々に壊したい。
頼りなくたゆたっていた柔らかな瞳を…唇を、全て自分のものにしたかった。
「…いよ」
可愛いよ、と囁いて仰け反る背中を抱いて粟立つ肌を舌で蹂躙する。
なぶって、尖りきった乳首に噛みつくと悲鳴があがった。
「や…さん…なんて…んじゃえ…ば…いぃ…」
矢倉さんなんて、死んじゃえばいい
絶え絶えに発された言葉に海斗は笑った。
笑って、容赦なく簓のスエットパンツを膝まで引き下げ、自分のは不要なゴミであるかのように脱ぎ捨てた
「そうだね、なら、…後で…殺せば…?」
そうだ、殺してくれ。
残酷な一面も、現実も、…簓に惹かれている自分も。
殺せよ…