「隠しちゃいない。だけどさ、面白くなくてさ」
「どう面白くねえんだよ」
「アンタにゃまだ早いよ」
「チェッ、ならそんな意味深な話すんなよ」
美姫は笑った。それもそうだ。
「母ちゃんまだ33だよ?なぁんか虚しくてさ」
美姫の本音なのだろう。
つい漏らした弱音に、美姫本人が慌てた。
すぐに冗談で笑い飛ばそうとした。
「アンタの友達のほら、ミッチに似てる子、紹介しなよ!」
カイトはカチンときた。
「はあ?」
「たまには若いエキスでも吸わなきゃな」
なぜか、猛烈に頭に来た!
「何言ってんだよ!この淫乱ババア!」
美姫が手を出した!
「てめえ親に向かって」
「うるせえ!」
ガタッと立ち上がり、取っ組み合いになった。
多少酒が入っているので、真っ赤になりながら、組みついている。
カイトは手加減が旨く出来ずに、床に美姫を組伏し、馬乗りになった。
「ハァ、ハァ、ハァ、何だよ、親に手を上げようってのかい?最低だね!アンタの親父と一緒だ!」