「ふん、野菜炒めの肉ぐらいシャキッと覚えな!」
樹里亜と麻里亜が笑う。
「チッ」
カイトは舌打ちして二人の頭を叩いた。
「母ちゃん、兄貴が叩くう」
いつもと一緒で賑やかに夜は過ぎた。
樹里亜と麻里亜は二階の部屋で寝ている。
美姫はその隣の部屋。カイトはまたその隣で、竜也は一階の和室だった。
二人の娘が生まれてからは、夫婦は何故か別々に寝るようになった。
とは言え、竜也はほとんどいないから、別に意識したこともない。
樹里亜と麻里亜が風呂に入った頃、カイトは忘れていた弁当箱をシンクに出した。
すぐに美姫の蹴りが入る。
「てめえ、今頃出すなっていつも言ってんだろうが!」
「ごめん、忘れてたんだよ」
シンクに立つ美姫の横顔を見た。
黙っていれば、めちゃくちゃ可愛い。
長い睫毛。白い肌。
プックラと上向いた唇はいけない想像をかきたてる。
長い茶髪を後ろに束ねているので、うなじの生え際が妙に色っぽい。
ミッキーのジャージは胸の所がひっそりと膨らんで・・・
カイトは股間に血流が増した。