黒川所長はいつも怒るとき
凄い勢いで俺を睨み付ける。
『すいません』
なんて言いながら
腹の中で俺は
もっと見て欲しい
その瞳で
そう思ってた。
「…お前、何してるのか分かってんのか」
弱ってる人間にこんなことすんのってやっぱ卑怯だよなぁ。
「おい」
まぁそんなん知らねぇけど
「分かってます。」
首筋に唇を落とす
「分かってねぇ」
舌を這わせると所長は少しピクリと動いた
「分かってますよ。俺クビ切られますよね?部下に襲われたなんて言えなくても仕事ができない上意欲もないって理由が揃ってるし」
でももう無理
興奮してる。俺。
抑えれない
「やめろ佐木…今なら許す」
嘘。
許してなんてくれない。
「…ッ」
首筋から鎖骨へ舌を這わせ
手をシャツの中へ侵入させて体をまさぐる
つん、と目的のものに指が当たった瞬間
所長はビクっと身体を揺らした
俺の心臓が一気に高鳴った。
「佐木…っ」
せめてもの抵抗なのか黒川所長は力無い両手で俺の髪を鷲掴みする
やっべー。可愛い。
あの黒川さんがこんなにも弱々しい
堪んねぇ。
「ちょ…吐きそ…っ」
酔いが廻ってる上
体まさぐられて
嫌悪してる。
抵抗する為の嘘じゃないってのは切羽詰まった声で分かった
「いいですよ。吐いて下さい」
「…お前っざけんな…」
「黒川さんのゲ○まみれでヤんのも興奮しそう」
言うと露骨に嫌なものを見る目で俺を睨んだ
「気色悪ぃ。」
「気分が?」
「お前がだろ!!しょうもねぇ事言ってんな!」
…あながち冗談で言った訳でも無いんだけど…
でも本当に辛そうだったので俺はさっき飲まそうとした水を自分の口に含んだ
「…んんっ」
口移しってやらしーな。
ぴちゃぴちゃなる音とゴクリと飲みほす音
「もっといります?」
「いや、だ…自分で飲むって…」
本当可愛い。
嫌だ、とか言っちゃうんだ
「はいはい、起こしてあげますね」
『自分で起きる』なんてできもしない事を言う。
こんな酔い廻ってんだから思うまま身を任せれば良いのに、本当どこまでもプライドの高い人だ。
こんなにぐったりして…