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悪魔ッコと僕〜憂鬱〜

ウグイ  2006-05-07投稿
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学校。

それは僕にとって、最悪な時間を過ごす一時。

皆で僕をはぶる……皆で僕の陰口を言う……そんなのには、もう免疫がついた。
別に何とも思わなくなった。

だけど、何度されても慣れることが出来ないものがある。

「心配したよ〜?二週間も学校に来ないからさ〜、てっきり自殺しちゃったんじゃないかと思ったよ」

言葉の後に、僕を取り囲んでいる奴らが一斉に笑い声をあげた。

こいつらの名前なんて知らない。

只の馬鹿どもだ。
自分より弱い者を虐める事によって、ちっぽけな自分達が少しでも浮かばれた気になるんだろ?

「無理無理、コイツに自殺する勇気なんてある訳ねーもん」

御託(ごたく)はいいから、さっさと殴れよ。

「まぁまぁ、僕の友達を虐めるのはやめてくれよ」

「友達じゃなくて、サンドバッグだろ?」

一際大きい笑いがおこる。

瞬間、僕のみぞおちに鈍く重い痛みが走りぬけた。

「ぐぁ……」

僕の体が『く』の字に折りまがる。
呼吸が出来ない。

「よっしゃ次、俺の番!」
ドゴっ!

休む暇もなく、新しい衝撃が腹を突き抜けていく。

あいつらは、絶対に顔は狙わない。
教員に虐めがバレない様に、腹を集中的に殴る。

「まだ、倒れるのは早いよ〜!」

崩れ落ちる僕の体を、髪の毛を真上に引っ張る事によって制止させた不良は、勢いよく右の拳を僕の脇腹にほうり込む。

ズガッ!

「う……ぁ」

回りの奴らが、「おぉ〜」と歓声をあげる。

それと同時に僕の体は石の石像の様に、体育倉庫のひんやりと冷たい床に倒れおちた。

あいつ……あの黒猫。

大丈夫かな?

……大丈夫だよな?

シローは……名医だし。

マウアの奴……ちゃんと留守番してっかな?

「もう、おやすみですか〜?もうちょっと遊ぼうよ」

無理矢理、立ち上がらせられる。
そして、一人の不良に背中から羽交い締めにされ、もう一人の不良が僕の腹を両手で殴りつけはじめた。

「おらぁ、百烈拳!」

笑い声と共に拳をほうり込む不良のふざけた顔。

この時間に終わりなど、ない。

僕は、そう感じていた。

これだけは……やっぱ慣れる事ができないな。

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