キレた美姫に圧倒されながらも、カイトは言った。
「いいじゃねえか!」
「なにを?」
「血は!」
カイトはハンドルを握る美姫の手をさらに力でねじ伏せようと掴む。
「繋がってねぇんだぞ?・・・母ちゃんより、ずっとマシな関係だ・・」
美姫はカイトを見つめた。
彼の言い分はもっともだ。
逆上せた血が下りて行くようだった。
「だからって・・・だからって・・」
「ずいぶん勝手なんだな・・・」
「え?」
カイトはドアを開けた。そして首だけ突っ込んで美姫に捨てぜりふを吐いた。
「あのおばさん、メッチャ良かったぜ。チ○○とろけて、何回もヤった・・」
美姫は耳を塞いだ。
「ふん!」
カイトはドアを閉めて店の方に消えて行った。
美姫はその後ろ姿を見つめながら、胸に込み上げる苦いものを押さえ付けていた。
ピンポーン・・・
涼子は思い悩んでいた。
ピンポーン
「あ、はいぃ」
急いで玄関ドアを開けると、カイトが立っていた!
「え?・・」
さっきスーパーまで送ったばかりなのに・・・