あれからどれくらい時は過ぎていったんだろう。
海斗は当たり前のように隣で眠る簓の髪をそっと撫で微笑んだ。
あの日から、ゆっくりと…俺たちは変わってしまった
触れあわない日はない。 体を重ねるより、簓を抱き締めて感じる重さを味わうことに意味がある。
子供みたいな安らいでいる簓の頬にキスをする。
体感的にはあの時から2ヶ月以上は経っているが実際にはもうどれだけ時間が経ったかを深く考えるのはやめにしていた。
暗闇は嫌だし、怖さもあるが…簓がいなくなった時に比べれば…。
不意に簓の目が空いていたのに気づいた。
「なんだよ、起きたんならなんか言え」
「やらしいこと考えてたんじゃないの?」
ニヤニヤしながら簓は上半身をぐっと伸ばした。
「じゃ、する?」
簓は海斗の首にまきつくように腕を絡めて笑った。
「やだよ、それより海斗、俺に珈琲入れない?」
「なんだよ、それ」
言いながらも海斗は立ち上がり…台所へ向かいながらふっと何かに気づいて足を止めた。
なんだ?
ザンッ…ザッ…ザザ…
小さな雑音が、聞こえる。
そう、暗い窓の向こうから