「はぁあ…最高だ…」
「ナマで出してェ〜」
「バカ、そしたらもうヤれなくなるだろが」
「また来週ねェ、ヘヘヘ」
少女は無意識に体を激しく痙攣させていた。
瞳は虚ろに開かれ、
どこか一点を見つめていた。
「ちょっとリルナちゃん…!
最後の挨拶よ…!」
男性店長が女口調で少女を小突き、無理矢理立たせた。
リルナと呼ばれた少女は、震える脚と、力の入らない腰を両手で抑え、舞台に用意されたスタンドマイクの前に立った。
「はぁ…ぁあ……。
き……今日も…。
今日も…皆さま、いっぱい…いっぱい……。
リルに出してくれて…ありがとうございました!…ぅう…ぁ…。
……あはは、…ごめんなさい、
ちょっと…力が入らないかな……」
客たちの応援に、少女は笑って応えた。
「来週も……いっぱい…いっぱい……リルに出して下さい…!
待ってますからね……!」
店長が客を外に返し終えた頃には、少女は舞台上に横たわって再び痙攣していた。
「はあっ…はあっ…はぁ…!」
「フフ、今日もこっぴどくイジメられたみたいネ。
ナカには出されてない?」
「は…はいっ!…皆さん、とっても良い人たちですから…!はぁ…!はぁ…!」
「金曜日の夜から日曜日の夜まで三夜連続。計百五十人以上。
よく頑張ったわね。
給料、色付けといたからネ」
リルナは爽やかな笑顔で応えたが、
その体は連日の『業務』に、完全には耐え切れていなかった。