翌朝はいつも通り起きる事が出来た。
「学校行ってきますね!」
「あら、早いわネェ。行ってらっしゃい」
リルナは通学途中に、蹴人に遭遇した。
「久波くん!お、おはよう…!」
「藍原か、珍しいな。委員会かなんかか?」
「ううん。あ、ほら、まだ数学の今日の宿題、終わってなくって」
「そうか、手伝ってやりたいけど、朝練だからな〜」
「い、いいよ!私の宿題なんか!だいじょうぶ!だいじょうぶ!」
過剰に拒むリルナを、蹴人は笑って撫でた。
「そっか?悪ィな、また今度な!」
「う、うんっ!!」
リルナはしばらくその場に立ち尽くした。
(撫でられちゃった……。ウソ、ウソ、ウソ…!!!)
「撫でられた〜!?あの久波が…?」
昼休みに、それを聞いたリルナの友人のアミが訝る。
「ほんとだよっ!ポンポンて!二回も!」
「それ〜、叩かれたの間違いじゃない?」
もう一人の友人、ミナが指摘する。
「そんな!…そうとも…言うけど…」
三人は笑いあった。