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ラック・ガール #09

輪廻 2011-01-28投稿
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「凄いお客さんの数……」

(リルナちゃん………)

マスターの脳裏に、リルナと出会った日の事がよぎった。


ひどい雨の日だったわ。
ここが潰れかけのストリップ劇場だった頃…。


「誰なの?そこに誰かいるの?」

「……………たす…け………て」

小さな小さな、幼稚園児か小学生くらいの女の子が、パジャマ姿で、
ぐしょぐしょに雨に濡れて、
店の裏のゴミ置き場にいた。

それがリルナちゃんだった。
リルナちゃんはそれこそ死にかけてた。

抱き上げたその子の髪は眩しいくらい金色で、瞳はどこまでも深みがかった青だったわ。

でもそんなことはその時はちっとも気にならなかった。

(助けなきゃ………)



「ここ………は?」

「あっ!気付いた!?良かった!あなた丸一日起きなかったのよ!?」

「…………………のよ?」

「あら、なんか文句ある?」

小さなリルナちゃんは、(すんなりと)自由恋愛主義者の私を受け入れてくれたわ。
文句は無いって、声には出さずとも首を振って応えてくれた。

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