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ラック・ガール #20

輪廻 2011-01-29投稿
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空がオレンジに染まり始める頃、
リルナは帰り支度を始めていた。

「藍原、いいか?」

隣のクラスの男子生徒だった。

「なに?」

リルナはあまり話したことがないが、感じの良い男子だと思った。

噂では確かサッカー部のレギュラーで、
同部の女子マネージャーと交際していたとかいなかったとか。

「あっ藍原、俺と付き合ってくれ!」

「え!?」

リルナはまさかの申し出に目を丸くしていた。
容姿のせいでいじめはされたが、告白されたことなど一度もなかったからだ。

「え!や!だって!私だよ!?ぜんぜん、私なんかと…勿体ないよ!」

「藍原じゃなきゃ、だめなんだ」

何故かその言葉に、妙に心を締め付けられたリルナだったが、
きちんと丁寧に、交際は断った。

「あ〜…びっくりした」


―――藍原じゃなきゃ、だめなんだ――

(お客さんも、そうなんだ………。
私目当てで来てくれている人からすれば、私じゃなきゃ、だめなんだ…)


リルナにある決意ができたのだった。

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