帰宅してすぐ風呂に入った
血が出るんじゃないかって位思い切り洗い流したせいで身体のあちこちがほんのりと赤く腫れてしまった
完全に酒が抜けた後
あの行為を思い出す度に何度も吐いた。
『好き』だと?
笑わせんな
あんなのは欲望を満たすためだけのただの強姦だ。
「くそ…っいてぇ…」
腰がダルい…
ふとした時にあの違和感が蘇ってまた嘔吐しそうになる
…でも、決めたんだ。
なかった事にする。
全てなかった事にして
俺は奴に無関心を決め込んでやる
どうせあと1ヶ月でクビなんだ
もう放っておけばいい。
―
「おはようございます」
出勤すると口々に挨拶が聞こえてくる
「ああ、おはよう」
(…っ)
見ないようにしたのに
チラリと視界に入った佐木の姿に
思い切り心臓が鳴った。
冷や汗がじわりと滲む