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ラック・ガール #21

輪廻 2011-02-16投稿
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「マスター!私やっぱり今日お仕事させて………下さい……」

リルナが店に帰ると、
マスターがカウンターに立ち、
席には落ち着いた雰囲気の、
長い黒髪の女性が座っていた。

今でこそドレス姿だが、
着物が似合いそうな和風美人だった。
顔立ちはすらっとしていた。
首に年季の入った、少し大きなネックレスをしているためか、細く華奢で、
リルナはどこか儚げな印象を受けた。

「こ、こんにちは…」

「お帰りリルナちゃん」

「え?」

きょとんとした顔のリルナに、マスターは優しく教えた。

「この店のNo.1。マキちゃんよ」

「マキです。今日のお仕事はやっぱり中止には出来なかったから、私が代わりに引き受けます」

リルナはマスターに懇願した。

「あっ……わたし…昨日は本当にごめんなさい!だけど、私!
大切なことに気が付いたんです!
だから……」

「大切なこと?」

マキが訊ねた。

「来てくれるお客さんの中には、
私じゃなきゃダメなんだって、
言ってくれる人もいます…。
私、このままだとそんなお客さんを裏切っちゃうから…だから!」

「ふふっ。優等生ね。二重丸の答えよ」

マキは笑った後一呼吸おき、
ゆっくり話した。

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