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ラック・ガール #22

輪廻 2011-02-16投稿
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「だけどねリルナちゃん。
自分の出来ることが増えたわけではないのよ?
その人たちに喜んでもらえたとしても、
また別のお客さんに迷惑をかけて、
裏切ってしまうかもしれない。

あなたは、それでいいの?」

言い返そうとしたが、
昨日醜態を晒しておいて、
それでもやりますとは言えなかった。

「いいコね」

「マ、マキさん……。初対面で失礼なことを…お尋ねしてもいいですか?」

「?」

「マキさんは……今日来られる三百人のお客さんを…満足させられる自信はあるんですか?」

マキの顔つきが少し真剣になって、
大人っぽい表情に変わった。

「そうね。無い……って言ったら、
あなたはどうする?」

「!わ、私にやらせて下さい!」

マキは首を振った。

「リルナちゃん。
この店の、一日一人の従業員原則は素晴らしいことなの。
何故だか分かる?

自分に代わりがいないって…、
お客さんたちを満足させることができるのは、自分¨だけ¨なんだって…、
肌で感じ取ることが出来るからよ。
リルナちゃんの年齢で、
それに気付けたのは凄いことよ。

人の仕事を代わりに引き受けるのも、本当は反則。
だけどね、
仕事中に気を失ってしまえば、
それは仕事を放棄したと同じなのよ?
それは…キツい言い方だけれど、

問題外なの」

「…!!!」

「少しでも失敗する可能性のある人に、この仕事は任せられない。

さっきの答えを言うわ。

自信ならあります。

失敗する可能性なんて無いわ。

私はNo.1をもらった時から今日まで、
一度も失敗なんてしなかったわ。
これからもそう…。
私は、この店を背負って立っているから」

席に座ってグラスを傾け、
静かに以上を述べたマキは、
目線をリルナからグラスに戻した。

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