連理が好き。
その告白は、不意に思い付いた言い訳のわりにはいい考えだと思った。
「女の子…はダメなの?つまり…その…」
ゲイかって?
「違う」
俺は静瑠を見据えた。
「アイツだから好きなんだ…何もかもが、好きなんだ…笑顔を見ると泣きたくなる。
少しでも傍にいられたら嬉しい…反面、苦しい。
触れられたら、想いが届いたら、明日にだって死んでもいい。
お…あ、アイツの為なら俺は何だってしてやる。
でも…それ以上に
この気持ちが消えてくれるなら…俺は…」
俺はいま、お前に、伝えてるんだ、静瑠!
声が途切れた。
泣いていた。
友達でいたいんだ、せめて傍にいたいんだ。
静瑠、静瑠…静瑠…。
お前の為なら、俺は何だってしてやるのに。
「琉聖」
はっと顔をあげると、静瑠も泣いていた。
眼鏡を外して、袖で涙を拭いていた。
「俺…全然知らなかった…琉聖が凄い辛い時に何にも出来なかった…。
話してくれて、ありがとう…俺、嬉しいよ」
一歩近づいた。
だめだ、止まれ!
手を伸ばしてしまう。
やめろ、ばか!
その手は全部を壊しちゃうんだぞ…!