「ごめんな、変な告白しちゃってさ」
切り裂かれる。
伸ばした片手が、静瑠の肩に置かれた。
痛みが伝わらないのが不思議だね。
恋している痛みが、この手のひらから流れ出して止まらないのに。
本当にいいやつなんだ。
眼鏡のない目に嫌悪感は全くない。
あるのは心配と労りだけ。
その想いが自身に向けられていると気づいた時に、それはきっと変わってしまうだろう。
「泣かないで、連理だってきっといつかわかってくれるよ。
実る、実らないじゃなくせめて想いが伝わればいいのに…」
傑作だな。
お前からその言葉がでるなんてさ。
けどわかってないよ、お前は何にも。
決して実らないだけじゃない…伝わった瞬間が俺たちの終わりなんだってこと。
さあ、疑われる前にその手をどけろ。
俺はもう一人の冷静な自分に従った。
涙で濡れた頬を拭いてやりたい愚かな衝動。
静瑠はニコっと笑って、眼鏡をかけた。
「心配しないでいいから。俺は何にも変わらない。
良かった、とにかく嫌われてなくて本当に良かった。これからも何でも話して欲しいよ」
…どんな顔をしてるんだろうな、俺。
笑ってんのかな。