ばこっ!!!
間髪入れずに頭を叩いた。
「な、殴るぞお前〜!」
「殴ってからゆーな、このやろ」
連理がにゃははと猫みたいな顔して笑うから、俺も結局笑ってしまった。
辛い恋愛してる最中にこんなに笑えるとは。
…連理にバレて良かったんだな。
「なあ、俺、昨日静留が寝てる最中にキスしちゃったんだよね」
連理はブッと吹いて
「やるな、お前!それ犯罪だぜ？」
「まーなww」
静留にとっては笑い事どころじゃないんだが、余りにも塞いでいた反動か、俺は凄く…なんつうか、楽になっていた。
それもこれも、連理の軽さだ。それに信じらんないくらい救われてんだ。
ありがとう、なんて今は恥ずかしいから言わねーけど
連理は全然静留とは違う。見た目もチャラいし、何でも茶化す…けど優しい。
本当にコイツ、優しかったんだな、と思う。
秘かに俺を心配してくれてたんだな。
なーんだよ、俺の周りはイイヤツばっかじゃねーか!
で。
俺はどーなんだろうか。 俺はイイヤツなんだろうか
ふっと横にいる連理を見ると、物凄く…保護者的な目で「大丈夫だよ」と言われた気がした。
そう、思っとくよ。
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