次の日――
「昨日あんなことがあったからあんまり眠れなかった…」
私はフラフラしながら職員室の自分の机につく。 あれ…?これ、広瀬くんのテキスト…。課題に出したやつだ。
「朝早くに持って来たんですよ。」
早くから職員室に居た先生がそう言った。
…きっと、私に会いたくないから早くに持って来たんだろうなぁ…。ふぅ、と溜め息をついて、今日の日程を確認する。今日は5組で授業は無いみたいね…。ホッとはしたけれど、やっぱり広瀬くんの事が頭から離れない。今会ったら気まずいけど、会って話したい。何をどうやって話せば良いのか分からないけど…。そう、色々と考え込んでいると、
「河野先生、河野先生ってば」
と隣に居た先生が私を何回か呼んでいた。
「あ、はい。すみません、何でしょう?」
「さっき急に橋口先生が休んじゃったから、授業変更あるんですよ」
「え?…」
私はドキッとした。橋口先生も3年生担当。もしかして…
「6時間目に5組で英語が入りましたんで河野先生、お忘れにならないように。」
や…やっぱり…